1961年に互助会制度として始まった議員年金制度。1972年から税金による負担が制度化されました。その後2007年の改正で税の負担率が掛金率を上回り逆転、税の投入額が増大しています。
地方議員年金制度は平成の大合併で、議員数が大きく減少、一方で高齢化にともなう年金受給者の急増が主な原因となって市議会議員共済会の試算で2011年にはこの制度が破綻することが明らかになりました。
財政危機に陥ったこの制度を存続するために、さらに税金を投入しようとする動きがあります。公的年金に対する市民の不安と不信が増すなかで、これ以上の税金投入は許されません。
神奈川ネットワーク運動では「議員年金制度の廃止を含め、検討することを国に求める意見書」提出にむけ県内各地域の実行委員会で今年、13自治体議会に対し請願や陳情を提出しました。
座間市議会では賛成少数で不採択
座間市民ネットでは、街頭活動などで議員年金の成り立ちや仕組み、昨今の財政状況などを広く市民に伝えるとともに署名への協力を求める取り組みをしました。そして集まった828筆の請願
署名を6月の定例議会へ提出し、各会派へ請願の趣旨を説明するロビー活動を行いました。この請願は6月17日、傍聴者が見守る中、議会運営委員会において審議されました。紹介議員の安海のぞみ、牧嶋とよ子に、各委員から質問が相次ぎ、審議は2時間にも及びましたが賛成少数で否決されました。
委員会で出た主な意見は・・・
■国民年金の受給資格25年に対し、議員年金は12年。これを優遇というのは言い過ぎだ。
■国民年金だけでは暮せないから議員には議員年金が必要だ。
■ネットはきれいごとを並べ、市民受けすることを言っているだけ。
■現行の制度が続くわけがない。必然的に見直しは仕方ない。
■国会議員の年金が廃止となったからといって地方議会議員年金も廃止だというのはおかしい。
■生活保障がなければ、金持ちしか議員になれない。優秀な人材は集まらない。
■国民年金が最低限の生活を支えることになっていないのが問題。
■ネットの議員は2期で交代。ネットの議員も3期やり、同じ立場に立ってからこのような議論をすべき。
などなど・・・
2011年には地方議員共済会の年金積立金残高がマイナス88億円という推計が出ているにもかかわらず議会運営委員会の審議内容は上記のとおりで傍聴者からは「12年掛ければもらえるなんて特権としかいえない」、「国民年金だけで暮らせないのは一般市民も同じ」などの声が聞かれました。
議員だけに優遇された制度廃止して年金制度の1本化を!
●受給資格が12年で得られる(市民は25年)
●国民年金や厚生年金との同時加入が可能であり、税金の入った年金を2つも3つも受け取ることができる
●受給資格に満たなくても、掛け金が一時金として戻ってくる(市民は掛け捨て)
●遺族年金が孫まで支給される(市民は子まで)など市民の年金とはかけ離れた、議員だけに優遇された制度になっています。
座間市民ネットでは今後も地方議員年金制度は廃止し、誰もが安心できる公的年金制度の1本化を求め運動を続けていきます。