市民による人間に安全保障 ~地域の平和力を高める~
安倍内閣は7月1日にも憲法解釈を見直し、集団的自衛権行使の容認を閣議決定しようとしている。
集団的自衛権の行使については1972年、「国権の発動としてこれを行使することは、憲法の容認する自衛の措置の限界をこえるものであって許されない」と政府見解としてこれまで歴代内閣が継承してきたものだ。
安倍首相は、中国の軍拡路線や想定される朝鮮半島有事を念頭に東アジアでの緊張感が高まる中、集団的自衛権の行使を可能とし、日米同盟を強化することで、抑止力につなげる必要があると主張した。しかし、これこそがアジア諸国の警戒感を高め、軍拡の連鎖反応を引き起こすことになりかねない。国に求められるのは軍備強化ではなく、衝突を起こさない外交努力である。
記者会見で、公海上において襲撃される艦船のクリップを用いて国民に脅威をあおり情緒的に訴える安倍首相の姿は滑稽であり、国民への説明責任が果たせない本質がここに窺える。
本来国民に問うて行うべき行為を閣議で決めてしまう手法は、国家権力を縛る立憲主義を根幹から揺らがすものであり、国民を無視した暴挙である。
ここで192の地方議会から反対や慎重な対応を求める意見書が可決されたとの報道がされた。座間市議会においては、すでに昨年12月、「集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書」を公明党会派も賛成の立場をとり可決している。
キャンプ座間の基地を抱える座間市は、現在、基地の一部返還区域に自衛隊の家族宿舎建設の準備が進んでいる。あらためて、基地のまちからアジアの平和構築に向け、民際交流を活発化させ、共に生きる人と人の繋がりを大切に、地域の平和力を高めることに一層努力したい。