座間の都市農業を市民が支える!!食と農の循環プロジェクトスタート―町田「たがやす」視察と町田市聞き取りー

神奈川ネットワーク運動・座間市民ネットでは、座間で営農する農業者とともに貴重な都市農業を維持していきたいと、消費者である市民の力を市内農業の継続につなげる組織づくりにむけて今年度プロジェクトを進めています。 

座間市の農業事情

全国でも耕地面積・農業者の減少が進む中、農水省では2030年の農業経営体は2020年の50%減、耕作面積は35%減と推計しています。現在座間市の農地面積は167ha、市面積の9.5%、農家数267人、経営体は127と減少しており、70歳以上の農業者の面積が67%を占め、その半分は後継者がいない状況です。〈農林業センサス2020、2025年3月地域計画〉。

都市農業の多面的価値

食のグローバル化政策を進めてきた日本の食料自給率(カロリーベース)は38%であり、食の現況は、他国の政治情勢に大きな影響を受けるとともに、近年の気候変動による米をはじめとした農業生産の不安定化の中にあります。この中、都市農業は、命をつなぐ食料の確保と農地の持つ地下水の涵養や自然環境の保全、ほっとできる景観等多面的な価値を市民にもたらします。農業者だけでなく、消費者である市民が自分の暮らす地域でこの価値を支えていくことが必要です。

町田 「たがやす」視察と農政振興課聞き取り

7/29に、町田市で市民の農への参加を高め、市民と農業者とつなぐ援農事業を26年間実践してきた「NPO法人たがやす」を視察しました。たがやすでは、援農の他に地場野菜普及活動、農業研修事業(町田市研修農場にて)、体験農園事業、生ごみリサイクルを行っています。援農は事前研修(市の補助事業である援農ボランティア育成研修もあり)を行った後、事務局がマッチングし、月に70人ほどが作業しています。援農を望む農家会員は時給620円を支払い、たがやすは事務局手数料120円を受け取り、援農参加者は時給500円の報酬をもらいます。有償であることが責任を持った活動となるとのことです。また、市の農場で行う就農を目標とした2年間の研修事業を受託し、新規就農者の育成を行っています。

8/5には、市民と農をつなぐ都市農業振興計画を策定した町田市経済観光部農業振興課に聞き取りに行きました。町田市は市面積の約2.6%である186ha(2020年農林業センサス)の農地があります。座間市の農地面積の1.1倍とはいえ、自治体として担い手を育てる農業研修事業を行い、農地バンクと担い手の登録を実施し、マッチングを行っています。担い手バンクには現在100人が登録し、農業研修修了者も数人いるとのことです。

町田市は、市民団体たがやすの活動があったからとはいえますが、市として農業研修事業を行い、援農ボランティア事業も含め市民の参加を得て農地の維持に向けて積極的に取り組んでいます。

市民の力を活かした積極的な農業政策を!!

座間市は都市農業施策を計画的にすすめる都市農業振興計画がありません。また、現在農政に関する担当課はなく、係が担っているにすぎません。振興計画の策定を行い、農と市民をつなぎ都市農業の振興を図る具体的な(中間市民)組織を設置して、農協との連携を深化し、市民の活力を生かした座間の都市農業施策を積極的に行っていく必要があります。

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