知らなかったでは済まされない!問題だらけのリニア中央新幹線

 座間市民ネットでは2月10日、神奈川ネットの政策部長、岩本香苗さんを講師に迎え、2027年の開業を目標に東海旅客鉄道(JR東海)が進めているリニア中央新幹線の学習会を行いました。リニア中央新幹線は、事業主であるJR東海が2014年に着工、2027年には東京(品川)―名古屋間を開業し、2045年には東京(品川)―大阪間の全線開業を目指し、総事業費9兆300億円という巨大プロジェクトです。

 1970年の全国新幹線鉄道整備法、71年の基本計画に路線はすでに決定していたもので、工事は全路線の8割以上が地表から40㍍の大深度地下をトンネルで貫き、空気を逃すために、5~10キロおきに、直径30㍍もの立坑を掘り、ほぼ直線で東京―大阪間を結ぶことから南アルプスを貫通するなど想像を絶する環境破壊を前提としたプロジェクトです。さらに原発3~5基分の電気を使うとも言われており、車両は電磁石により浮上し時速500キロで走行するため、強い電磁波を出すことなど、懸念される部分があまりにも多いことが分かりました。

  あくまでもこの膨大な事業費は事業者であるJR東海が負担するとしていますが、計画を大きく上回る費用負担が生じた場合や、少子高齢化が急速に進む中で乗降客が見込みを下回れば、利用者の運賃引き上げ、さらにはそのツケを国費により補てんするなど、結果その負担は国民に回ってきます。

 神奈川県は、県内駅の位置を決定する為、2600万円の税金を充て三菱総研に調査を委託しました。報告書では橋本駅周辺地区に優位性が認められるとして3200億円の経済効果があるとしていますが、リニアを推進する側に都合の良い需要予測パターンを示しており、県の誘導にも大きな責任が生じていることを県自身も認識すべきです。

 あらためて少子高齢化時代を迎えた日本にとってリニアの需要は本当にあるのか?様々な犠牲のもと経済優先を追求すれば再び、原発に次ぐ後世に取り返しのつかないものを残して行くことになります。今回、リニア新幹線の経済性や安全性、環境への影響など、様々な視点から課題を捉えるこができました。知らなかったでは済まされない!知った以上は少しでも多くの人にこの事を伝えて行かなければと思いを強くした学習会となりました。